
今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。

病院でお薬をもらう時って、最大何日分貰えるの?

お薬によって一度に処方出来る量が決まっているお薬があるよ!
医薬品の処方日数制限とは
通常、医薬品自体には何日分までしか出せない、という処方日数の制限はありません。しかし、下記の医薬品については、処方日数に制限があります。
- 麻薬
- 向精神薬
- 新医薬品(薬価収載後1年未満の薬品)
順番に確認していきましょう。
各医薬品の処方日数制限
麻薬と向精神薬は「麻薬及び向精神薬取締法」によって、扱いが定められています。
麻薬
投薬期間の上限は14日、30日のいずれかに規定されています。
14日→メテバニール錠、メサペイン錠、等
30日→オキシコドン徐放錠、タペンタ錠、ナルサス錠、等

麻薬って初めて聞いたんだけど……

一般の人はあまり目にしないかもしれないね!
麻薬については使用患者が限定されているので、一部病院や薬局では目にする機会が無いかもしれません。麻薬には必ず何らかの処方日数制限がある、ということだけ覚えておきましょう。
向精神薬
投薬期間の上限は14日、30日、90日のいずれかに規定されています。
14日→サノレックス錠、メンドンカプセル、等
30日→ドラール錠、トリアゾラム錠、ロラゼパム錠、等
90日→ベンザリン錠、マイスタン錠、ランドセン錠、等

日数がバラバラでどれがどれだか分かんなくなりそう……

大体の医薬品は30日制限と覚えておけば大丈夫!
2025年4月現在では、30日制限の医薬品の数が最も多くなっています。抗不安薬や睡眠導入剤等が含まれます。全部を暗記するのは大変なので、最低限、自分の施設で良く出る薬剤の投与制限をチェックしておきましょう。
新医薬品(薬価収載後1年未満の薬品)
投薬期間の上限は14日に規定されています。
毎年多くの新医薬品が誕生するので、処方箋で見慣れない名前の医薬品を目にしたら、すぐ調べる癖をつけましょう。
処方日数制限の一部例外

来月海外に長期間出張に行くんだけど、手持ちのお薬が無くなったらどうしよう……

処方日数制限がある医薬品でも、例外的に制限が緩和されることがあるよ!
厚生労働省からの「保医発 01 3 0 第 1 号 平成 31 年1月 30 日」では次のように記載されています。
「長期の旅行等特殊の事情がある場合において,必要があると認め,必要最小限の範囲において,投薬量が1回14日分を限度とされる内服薬及び外用薬であって14日を超えて投与した場合は,当該長期投与の理由を「摘要」欄に記載する」
医師が処方箋の備考欄に、長期処方する理由を記載すれば、日数制限を超えた処方が出来るようになります。
ただし、あくまでも臨時措置なのでその他の理由では日数制限は緩和されません。

病院に行く回数を減らす、とかの理由では使えないんだね。

医師も患者さんの状態を継続的に把握・管理する必要があるからね!
まとめ
医薬品の日数制限、と聞くと身構えてしまいがちですが、対象薬剤は一部に限られています。毎日の業務を通して少しずつ、身につけていきましょう。
以上、hiyokoでした^^
以下の項目の試験対策としてまとめました。
日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準
Ⅱ.基本的業務の向上を図る
Ⅱ-1:調剤
●医薬品の処方日数制限について理解している。
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